ほうれん草は収穫する時間帯で味が変化する?栽培のコツをご紹介

農業ノウハウ

「愛情を込めて育てているほうれん草だから、美味しさを最大限に惹き出したい」と思ったことはありませんか。

販売されているほうれん草を見ると「朝採り」などのように時間帯に関して記載されていることもあることから、収穫時間によって味が変わるかもしれないと思う方もいるのではないでしょうか。

ほうれん草は家庭菜園で育てられることのある身近な野菜ですが、種まきから収穫までをこだわることで美味しさも変化します。この記事では、ほうれん草の収穫時間による味の変化や収穫のタイミングについてご紹介します。

ほうれん草を収穫してみよう

ほうれん草とは

近年の日本の食卓でよく使われる野菜「ほうれん草」は、料理のレシピも豊富で幅広い季節で食べられるなじみ深い野菜のひとつです。数多くある葉物野菜のなかでも、栄養を豊富に含む緑黄色野菜に分類されます。

含まれている栄養素にはビタミンB群やC、食物繊維だけでなく葉酸や鉄も含み、カラダも嬉しい野菜です。一説によると原産地は西アジアで、日本の食卓にならぶ野菜として親しまれるようになったのは第二次世界大戦後と言われています。

ほうれん草は「東洋種」「西洋種」「交配種」という品種に分けられ、それぞれ味や特徴が異なります。国内で育てられている品種は100種類以上あると言われていますが、その中でも主流となっているのは東洋種と西洋種を交配させた交配種です。

甘く柔らかな葉をした東洋種と、肉厚でトウ立ちしにくい西洋種の利点を合わせ持つことから、より美味しく食べられる野菜となっています。

家庭菜園でも育てやすい

ほうれん草は広大な畑だけでなく、プランターでも栽培可能な野菜です。家庭菜園で育てる方も多く、育てられる季節が幅広いことから栽培に挑戦しやすい傾向があります。ほうれん草は根が長く伸びるため、プランターを使用するときは深さのある物を使用しましょう。

また、酸性土壌を苦手とする野菜なので、苦土石灰を混ぜて土壌作りを行います。畑で育てる場合は連作障害が起きやすいので、土壌づくりへの配慮や輪作体系を組むといった対策を行うと良いでしょう。

ほうれん草は暑さに弱く寒さに強い性質を持つ野菜です。暑い季節で栽培する場所を選ぶときは、直射日光に晒されにくい場所を選ぶと温度管理がしやすくなります。

収穫するときは時間帯もこだわろう!

家庭菜園でほうれん草を育てると、好きなタイミングで収穫が行えます。野菜は収穫する時間帯によって蓄えている甘みやエグ味のバランスが異なると言われているため、収穫時間帯までこだわることでより美味しいほうれん草が食べられます。

一般的に野菜は日中時間に甘みを生み出し、夜になるとエグ味のもととなるチッ素を作ると言われています。また、水分量も時間帯で変化し、日中時間は水分量が少なく夜になると水分量が増えていくそうです。

ほうれん草の収穫時間は朝と夜のどっちが良いの?

うまみの凝縮なら夕採り

日中時間に甘みを生み出していることを考えると、生成を終える夕方のほうれん草は甘みを十分に蓄えた状態となっています。そのため、甘みやうまみをたっぷりと含んだ状態で収穫したいと思うときは、夕方の収穫がほうれん草の味を惹きだせる時間と考えられてます。

家庭菜園の場合は夕採りであっても収穫してすぐに食べられるため、夕食を作る際などに収穫してくると良いでしょう。ちなみにですが、この法則は葉を食べる野菜と実を食べる野菜が当てはまると言われているため、トマトやナスなどを収穫する際も同様です。

▼夕採りのほうれん草の傾向

甘み多い
エグ味少ない
潤い少ない

ほうれん草は収穫すると時間が経つにつれて、徐々に栄養素も失われてしまいます。収穫した後はなるべく早く食べるようにしましょう。

新鮮さを優先すると朝取り

甘みやうまみが凝縮されたほうれん草は夕採りですが、朝食や昼食を作る際に使うほうれん草を収穫する場合も夕方に収穫した方が良いのでしょうか。ほうれん草の収穫のタイミングを考慮する際は新鮮さも考慮しておきたいポイントです。

▼朝採りのほうれん草の傾向

甘み少ない
エグ味多い
潤い多い

夕方に収穫した野菜を翌日の朝や昼に食べると、収穫から半日くらいの時間が経ってしまいます。ご家庭で食べる場合は影響が少ないかもしれませんが、店舗販売の場合は収穫から食卓に並ぶまでの間に販売を行う時間もかかることから、タイムロスの影響は大きくなります。

このような場合は、朝採りしたほうれん草を販売した方が食卓に並ぶ時の味は美味しいと考えられます。収穫するタイミングは食べるときの鮮度とうまみの凝縮のバランスを考慮しましょう。

ほうれん草の収穫をするタイミングの目安

気温の低い時間帯に行う

ほうれん草を収穫するタイミングを考えるときは、気温の下がっているときがおすすめです。活動が切り替わる時間帯はそれまでのうまみなどを蓄え切った時間帯でもありますが、理由はそれだけではありません。

気温が低いときは野菜の呼吸が抑えられると言われていることから、低温状態のまま収穫し保存することで新鮮さを保ちやすくなります。なるべく気温が下がっている早朝などを狙って収穫することで、野菜の美味しさをより長く楽しめる可能性が高まります。

20cm以上が目安のサイズ

ほうれん草を収穫するときは、適度に成長した頃合いを狙いましょう。目安は20cm以上まで成長し、葉の枚数が10枚前後となる大きさです。

一度に種を撒いて育てた場合はたくさんの株が成長しますが、その育ち具合が均一とは限りません。収穫する際は大きさを確認しながら適度なサイズの株だけを収穫することで日の当たりなどが改善されるため、成長が遅い株も成長が進みやすくなります。

ほうれん草の収穫時期の目安

春まきの場合

ほうれん草は幅広い季節で栽培可能な野菜で、成長速度は環境に左右されますが種を撒いてから早いと1か月ほど、ゆっくり成長しても2か月ほどで収穫できます。

春まきのほうれん草は、だんだんと暖かくなってくる3月から5月にかけての春に種を撒きます。気温の高くなる夏に向けて成長し、収穫を迎えるまでの期間は比較的早いです。

秋まきの場合

秋まきのほうれん草は春まきとは反対に、寒い季節に向けて育てます。種まきは気温が下がり始める9月以降が目安となり、収穫時期は一例として翌年2月頃までです。

気温も下がり成長速度もゆっくりになるので、秋まきのほうれん草は種まきから収穫時期を迎えるまでに2か月近い日数がかかります。

長期的な収穫をする場合

ほうれん草は栽培する季節で成長速度が異なりますが、収穫時期を迎えるとできれば成長しすぎる前に収穫しておきたいところです。

一度にまとめて収穫したくないときは、日付をずらしながら種を撒くと成長に差をつけられるため、収穫のベストタイミングを迎える時期もずらすことが可能です。

成長速度は個体差もあるので、家庭菜園の場合は2週間程度ずらして撒くと、2週間ごとに食べごろのほうれん草が収穫できます。

>ほうれん草の栽培方法について

時間以外に意識したいほうれん草の収穫時のコツとは?

トウ立ち前に収穫する

ほうれん草は明かりに当たる時間が長くなると、トウ立ちする性質があります。トウ立ちとは花芽のついた茎が伸びた状態のことで、トウ立ちしたほうれん草は食べられますが味が落ちてしまいます。

トウ立ちのしやすさは品種によっても異なりますが、日が長くなる夏にかけての栽培は特に意識しておきたい部分です。

ほうれん草を育てている畑のそばに街灯がある場合や、家の明かりが届いてしまう場合も明かりに当たってしまいます。成長したら早めの収穫を意識することも大切ですが、明かりの当たりにくい場所に植えることや、暗くするための対策を行いましょう。

また、肥料が多すぎたり急激に温かくなるのも要因と言われています。追肥などを行うときは与えすぎないように配慮すると良いでしょう。

小さな株は日当たりを良くする

ほうれん草が密集して生えていると、大きく成長した葉の陰になってしまい成長が遅れる株も見つかることでしょう。

一度にまとめて収穫する場合は端から順番に収穫した方が効率的ですが、少量を育てる家庭菜園などの場合は株ごとの成長を見極めたい方もいるのではないでしょうか。

このような場合は無理に刈り取らずに、収穫時期を迎えた株を収穫していくことで日当たりを改善できます。

余ったほうれん草は冷凍もできる

たくさん採れたほうれん草は、冷蔵保存で1週間程度は保存できると言われています。保存中に葉の元気がなくなってきた場合は、根元に水を吸わせることで復活させることも可能です。

また、1週間で食べきれない量を収穫したときは、冷凍保存も活用してみましょう。ほうれん草は冷凍もできるので、食べやすく切ってから冷凍しておくと料理のときも重宝します。

冷凍保存する場合は状態によって保存可能な日数も変化しますが、目安として2週間から1か月程度の保存が可能と言われています。保存状態を確認しながら上手に活用して美味しいほうれん草をいただきましょう。

ほうれん草の収穫にかかる時間を短くするコツ

収穫グッズの種類【ハンディタイプ】

ほうれん草の収穫方法は複数あり、道具を使わずに根っこごと引き抜いてしまう方もいます。

ほうれん草を綺麗に収穫したいときは、ハサミで根元から切って収穫したり、包丁を土に差し込むような形で根を切り離すと無理に引っこ抜くことなく収穫が行えます。

また、草刈り鎌に近い収穫鎌などの刃物も販売されているため、使いやすさに合わせて選ぶことが可能です。ほうれん草は根元の茎の赤い部分に甘みがあるため、収穫するときは赤い部分も収穫するように意識することがおすすめです。

収穫グッズの種類【根切り機タイプ】

ハサミや包丁でも収穫ができるほうれん草ですが、手元を根に近づけて収穫すると腰を下ろした状態になります。収穫数が増えるとしゃがむ動作なども増えるため、身体にかかる負担が大きく感じる方もいるのではないでしょうか。

ほうれん草の収穫グッズには「根切り機」と呼ばれるものがあり、立ったままほうれん草の根元を切ることが可能です。収穫時の効率を上げたいときは、このような道具の活用を検討してみましょう。

時短を目指すなら収穫機を使おう

根切り機は切ることに特化した道具ですが、拾い上げるところまでを行ってくれるのが収穫機です。エンジンを使用するものや乗車できるものもあり、広大な畑での作業も楽に行えます。

ほうれん草の根切りと切り落とした葉を拾い集める機能の両方をこなしてくれることから、収穫時の効率をグッと高めてくれる事でしょう。乗車できる場合は広範囲の畑を歩く動作も少なくできます。

一方で、燃料を使わない根切り機に比べて購入費用や維持コストが高くなってしまうので、どこまでを効率化するのかを検討すると良いでしょう。

>ほうれん草の収穫グッズの相場について

ほうれん草の収穫時間の短縮ならスリム君イエロー令和!

立ったまま根切りができる

ほうれん草を収穫するときに、「手作業での収穫は大変だけど、燃料は使いたくない」のようなお悩みをお持ちの方は、カミイエ農機具製作所の「スリム君イエロー令和」を試してみてはいかがでしょうか。

ハンディタイプの根切り機なので、スリム君イエロー令和を押しながらほうれん草の横を歩くだけで根切り作業が行えます。また、エンジンは搭載されていないため自動タイプに比べて購入価格も抑えられ、燃料代もかからずに使えます。

小規模スペースで保管できる

スリム君イエロー令和は細長い形状の根切り機で、サイズは790mm×100mm×730mm~900mmです。自立スタンドも付いているため作業中の仮置きもでき、収納時も自立させて保管できるので扱いやすい設計です。

長さ790mm
100mm
高さ730mm~900mm

小規模スペースで保管が行えるため、収穫時期以外の倉庫内の圧迫も気になりにくくなっています。また、替刃もご用意しているため、切れ味が落ちてきたときもそのままの本体で刃を入れ替えながら長くご利用いただけます。

オプション・踏み付け防止装置
・替刃

使い方が理解しやすい

農機具は日々進化しているため、便利な道具も数多くあります。しかし、デジタル化などによって操作が難しく感じてしまう方も少なくありません。

スリム君イエロー令和はほうれん草の収穫を行うハサミや包丁の延長で使える道具なので、新たに難しい操作を覚える必要はなく試しやすい道具です。

また、持ち手の高さが調整できるようになっているため、ある程度の身長差があってもご利用いただけます。

>スリム君イエロー令和について

まとめ

ほうれん草は家庭菜園も試しやすい野菜ですが、栽培から収穫までの細かな点にこだわることでより美味しい仕上がりが期待できます。

朝採りと夕採りを選ぶ際は収穫時に蓄えている味の性質も大切ですが、収穫後のほうれん草をすぐに調理するかどうかで判断するのもおすすめです。収穫する時間帯や大きさなどにこだわりながら、愛情を込めて栽培しましょう。

こだわりのほうれん草を育てるときは、時間や労力を軽減できる効率化もおすすめです。ほうれん草の根切りを行えるスリム君イエロー令和もぜひお試しください。

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