家庭菜園でも育てられることの多い「ほうれん草」は、日本の食卓では定番と言える葉物野菜のひとつです。和食だけでなく数多くのレシピで使用する食材であることからも、一度は食べたことのある方も多いでしょう。
このような定番野菜ですが、野菜の高騰化などの影響から「出来れば自家栽培でたくさん収穫できるように育ててみたい」と考えることがあります。
完璧な仕上がりを求めると難易度は上がりますが、家庭での消費などのような目的であれば、ポイントを押さえて育てることで美味しいほうれん草を収穫できる可能性が広がります。そこで、この記事では、ほうれん草の育て方や美味しい収穫方法をご紹介していきます。
ほうれん草は収穫方法で味が変わる!
ほうれん草は栄養豊富な葉物野菜
ほうれん草は、アカザ科ホウレンソウ属に分類される植物となっており、主にアジアを中心に栽培されている野菜です。栄養豊かな緑黄色野菜となっており、ビタミンAやビタミンC、マグネシウムや鉄などの栄養素が含まれています。
アクがあることから調理の際は茹でてアクを抜く傾向がありますが、近年はアクが少なく生食できるサラダ用の品種も流通し始めています。そのため、ほうれん草を栽培する際は、収穫後の利用用途も考慮しながら品種を選ぶと、より活用の幅が広がるでしょう。
幅広い時期に収穫できる
幅広い環境で栽培できるほうれん草は、種をまく時期によって収穫時期も様々な季節で行えます。ほうれん草にも品種が数多くあるため、種をまく時期などに合わせて品種を選ぶのもひとつの楽しみでしょう。
種まきから数か月で収穫できるため、家庭菜園でも育てやすく料理の使い道も多い野菜となっています。
寒い時期に収穫すると甘みが増す
ほうれん草は暖かな場所で育て続けるよりも、寒さに触れたほうが甘みが増す性質を持っています。そのため、育てる地域にもよりますが、春まきのほうれん草よりも寒さが増してくる秋まきのほうれん草の方が甘みが強くなる傾向があります。
これは、ほうれん草自身が凍結予防として糖を蓄えようとする作用によるもので、寒さに当てて育てたほうれん草は肉厚で濃い緑色となります。また、このようにして育ったほうれん草は、通常のほうれん草に比べて水分量が少ない特徴もあります。
ほうれん草を収穫するまでの栽培の流れ
育てる土を用意する
ほうれん草を育てる土は、石灰を混ぜててpH6ほどに調整するとよいと言われています。ほうれん草は酸性を苦手とすることから、土壌が酸性になっている場合は発育がうまくいかない可能性があります。
そのため、種まきをする前に苦土石灰を混ぜこみ、深く耕しておきましょう。目安として種まきを行う2週間以上前から土壌づくりを行うことがおすすめです。
種まきを行う
ほうれん草の種は、溝を掘りそこに種をまいて土を被せるように種まきを行います。種をまいた後は1cm程度の土を被せ、水をたっぷりと与えます。発芽は目安として4日程度と言われており、芽が出てきた後は元気な株を残すように間引きを行います。
間引きは6cm程度の間隔が生まれるように調節しながら行っていくと、バランスよく成長しやすい環境が作れるためおすすめです。
水や肥料を与える
ほうれん草の水やりは、与えすぎると根が腐ってしまうため適量を心掛けるとよいでしょう。天気の良い日は水を与え、土が乾燥しすぎないように意識することがおすすめです。
肥料は元肥だけでなく、間引きの際に追肥を与えます。成長していく過程で葉が黄色っぽくなる気配があれば、さらに追肥を行うとよいでしょう。
収穫を行う
ほうれん草は、種まきを行ってから2か月弱という短期間で収穫時期を迎えます。草丈が20cmを超えた頃から収穫に適した時期となるため、程よいサイズに成長したら収穫を行います。
収穫時期を逃すと春先に種をまいたほうれん草であってもトウ立ちしてしまうケースがあるため、早めの収穫を意識して食べごろを逃さないように意識することがおすすめです。
質の良いほうれん草を収穫する栽培のコツ
ローテーションを意識する
ほうれん草は種まきから収穫時期までのスパンが短いため、種まきの時期を変化させると長い期間の収穫が楽しめます。一方で、同じ土壌に何度も種をまいて育てると連鎖障害を起こし、うまく発育しなくなる場合があります。
翌年や翌々年であれば栽培できる土壌になる傾向があることから、収穫した土壌は別な野菜を植える輪作と呼ばれるローテーション方式を取ることで、畑を効率よく使うことが可能です。
家庭菜園の場合は「葉」「実」「根」を休みにする畑と組み合わせて1年ごとに回していくと、より作物が育ちやすく連鎖障害が起こりにくくなると言われています。野菜のなかには連鎖の影響を受けにくい物もあるので、育てる野菜に合わせて組み合わせを検討することがおすすめです。
また、輪作を行わなかったからといって育たないわけではありませんが、一度育たなくなると元に戻すのが困難になると言われています。そのため、植え始めるときには、事前に栽培するプランを立てておくとよいでしょう。
虫や病気の対策をする
ほうれん草の栽培は、害虫や病気に悩むケースがあります。主にアブラムシやべと病、うどんこ病などに悩むケースが多いことから、栽培上の配慮や薬剤の使用の検討といった対策が必要になる場合があります。
うどんこ病は葉に白い粉がついたように見えることから、病変のなかでも異変に気付きやすいでしょう。白い粉は白カビと言われており、うどん粉を被ったような見た目になることからこの名前が付けられています。
これらは早期発見を意識することが被害を最小限に抑えることに繋がるため、ほうれん草の栽培時は葉の状態などをチェックしておくとよいでしょう。
気温への対策をする
ほうれん草の栽培は、気温などの管理も欠かせません。ほうれん草は暑さが苦手であり、目安として25度を上回る場合は発育が上手くいかなくなることがあります。このような場合は直射日光への対策などのように、暑さを避ける手段を検討するとよいでしょう。
べと病は8度から18度くらいの気温が続くと発生しやすくなると言われており、一日の温度差が生まれやすい春先や秋口などは特に発生リスクが高まります。
また、寒すぎる時期に種まきを行うと、寒さで発芽しにくくなってしまうことがあることから、種まきを行う際は気温を下げすぎない対策も意識するとよいでしょう。成長中の寒さに対しては、マイナス10度程度まで耐えられると言われており、ある程度涼しい環境を好む野菜となっています。
ほうれん草を収穫するタイミング
収穫に適したサイズの特徴
ほうれん草の収穫に適したサイズの目安は、草丈が20cmを超えた頃です。品種によって収穫サイズの目安は異なることから、品種の特徴もチェックしておくとよいでしょう。
そして、ほうれん草の収穫時期は種まきを行った時期によって大きく変化するため、一例の種まきと収穫時期の目安はこちらになります。
種まきの時期 | 収穫の目安 |
春まき(3月頃)の場合 | 5月頃 |
秋まき(9月頃)の場合 | 11月頃 |
ほうれん草は種まきから1~2か月ほどで収穫できるようになることから、発育状況によっては種まきを行った翌月に収穫できるケースもあるでしょう。また、甘みを増やすために寒さを体感させる場合は、収穫時期を伸ばした2月頃に収穫作業を行うケースもあります。
春まきの場合
同じほうれん草であっても、種まきを行った時期によって収穫の目安は変化します。春まきの場合は暑い夏に向かって育つため、暑さが苦手なほうれん草は枯れやすくなる傾向があります。
そのため、発育状況を見ながら葉が黄色く枯れてきている場合や、弱っているように見える場合は収穫を行うと栽培に失敗するリスクを軽減できます。
夏まきの場合
夏まきの場合は、栽培する種類によってはある程度の時期を迎えるとトウ立ちすることがあります。トウ立ちは周りの明るさの影響も受けやすく、夜間にも明かりを浴びやすい場合はより可能性が高まると言われています。
そのため、トウ立ちしそうな株は早めに収穫を行うなどのように、成長度合いを確認しながら収穫時期を見極めていくことがおすすめです。
ほうれん草の収穫方法
ハサミや包丁を使う
ほうれん草の一般的な収穫方法は、ハサミで根元を切る方法です。なかには、ほうれん草を引き抜き、根っこごと収穫するケースもあるでしょう。
ある程度まとめて収穫したい場合は、包丁を土に差し込んで根切りを行う方もおられます。しかし、包丁を使用すると刃こぼれや収穫時の姿勢に負荷がかかることから、どの方法で収穫するかは状況に合わせて慎重に判断するとよいでしょう。
また、植え方によっては収穫タイミングがバラバラに訪れることから、数が多い場合は植え方への配慮を行わないと収穫時の労力が増え、疲労を感じやすくなることがあります。そのため、まとめて収穫が行えるように成長度合いに合わせた配置を意識して植えることもおすすめです。
根切り機を使う
ほうれん草の収穫には、「根切り機」と呼ばれる農機具があります。自動で動く大型なものから手動で使える小型タイプまで幅広くの種類があり、小型タイプであれば家庭菜園でも利用しやすい価格帯で手に入ります。
立ったまま使えるタイプであれば、収穫する個数が多い場合もサクサクと収穫することができ、時間や労力を有効活用できる可能性が高まります。
ある程度の量を収穫する見込みがある場合や、ほうれん草以外でも根切りを行いたい野菜を育てている場合は、このようなアイテムの導入も検討することがおすすめです。
収穫したほうれん草を長持ちさせるポイント
生の場合は新聞で包もう
収穫時期を迎えたほうれん草を一度にたくさん収穫すると、保存方法に困る方もおられるでしょう。ほうれん草は収穫後の生の状態でも、1週間から10日ほどは生き生きと保管できると言われています。
綺麗に土汚れを洗い流して水を切ったほうれん草を新聞紙で花束のように包み、葉先が新聞紙から出て呼吸できるような状態にしておくだけで保管が行えます。
収穫後すぐに調理が行えない場合は、このような保管方法を意識することで、焦って使い切らなくても美味しく食べられるでしょう。
冷凍保存もできる
愛情を込めて育てたほうれん草は、冷凍保存をすると約1か月程度の長期保存が行えると言われています。綺麗に洗い流して調理のしやすいサイズに切り分けた後に、ラップに包んで冷凍するだけなので保存方法も簡単です。
冷凍焼けを起こさないように密封を意識すると、より美味しく食べられるでしょう。使用する際はそのまま加熱調理を行う方法や、一度解凍して茹でるとお浸しにして味わえるため、量や用途に合わせて保存しておくとよいでしょう。
ほうれん草の収穫ならスリム君イエロー令和!
カミイエ農機具製作所のほうれん草の根切り機
ほうれん草の収穫時期の労力を削減するなら、ぜひカミイエ農機具製作所のほうれん草の根切り機「スリム君イエロー令和」をお試しください。
小型タイプのほうれん草の根切り機となっており、立ったまま押し進むだけでスパスパとほうれん草の根切りが行える農機具です。収穫数が多いときの悩みを軽減でき、簡単に利用できるので収穫時の効率アップが目指せます。
簡単なメンテナンスで長く使える
スリム君イエロー令和は刃の改良を行っており、より切れ味が良くなる二枚刃を採用しています。どんな刃物も使用後に放置すると切れ味が落ちてしまうため、スリム君イエロー令和を使用した後はオイルを塗っておくことがおすすめです。
また、包丁の刃こぼれのように切れ味が落ちてしまった場合は、刃の部分だけを交換できる替刃もご用意しています。本体はそのままでご愛用いただくことができ、コスパへの配慮も行っていますのでぜひご活用ください。
ほうれん草の収穫でスリム君イエロー令和を使うメリット
収穫の手間を軽減できる
スリム君イエロー令和のメリットは、立ったまま押し進むだけでほうれん草の根切りが行える収穫力です。根切りを行う際に倒れた葉を持ち上げる踏み付け防止装置もオプションとしてご用意しているため、よりスムーズな収穫を行いたい際は組み合わせることがおすすめです。
安定した根切りを行うために足回りの改良も重ねており、数多くの土壌への対応も配慮を行っています。一方で使いにくくなってしまう土壌もあることから、こちらの記事でご紹介の使いにくい土壌やほうれん草以外にも活躍している応用の使い道も参考にされてください。
導入しやすいサイズ感になっている
スリム君イエロー令和は、長さ790mm×幅110mm×高さ730mm~900mmとなっており、使用時も保管時も小回りが利く、扱いやすいサイズ感となっています。
購入時は公式サイトでのお問い合わせだけでなく、ヤフオクでの出品も行っています。お好みの購入方法に合わせてご注文をお願いします。
また、大型に比べてエンジンなどを搭載していないことから、導入コストを安く抑えられることも魅力といえます。この公式サイトでは導入事例やお客様の声もご紹介していますので、ぜひ参考にされてください。
まとめ
ほうれん草を美味しく収穫するためには、土壌作りから栽培、収穫までの全ての工程に配慮を行うことになります。甘みが増す寒い時期の収穫は、数が増えれば増えるほど、手や体への負担もかかるため、収穫時のハードルを下げておくとより手軽な美味しさになることでしょう。
また、スリム君イエロー令和はほうれん草以外の野菜に使用されている方もおられることから、活躍できる場面も使い方によって広がることが期待できます。
カミイエ農機具製作所では、より便利で導入しやすい農機具の開発を目指して努力しております。お問い合わせは下記WebフォームやSNSを活用いただけますので、お気軽にご連絡をお願いします。